リスク回避のため新車を購入しました

 久しぶりに、ブログとフェイスブックに投稿します。
 今まではブログを書いていましたが(白崎淳一郎のblog)、なかなかフォロアーが増えなくて悩んでいたら、森崎さんに、フェイスブックにも投稿したらとアドバイスされました。フェイスブックは限られた友達にしか発信できないと思ってずっとブログにしていたのですが・・・。
 再開してみたら、友達申請や承認確認がきて、少しビックリしました。
 しかし、すでに軽い認知症なのか名前だけでは、よく思い出せなくて承認すべきかどうか少し迷っています。ということで承認申請を許可しなかった方には本当に申し訳ありません。後日メール等でご連絡ください。

 話は変わりますが、最近、緑内障のため視野が若干狭くなっているというか、気を付けて見ていないと、特に左側が見えにくく、ゴルフボールも目で追うことが難しくなってきました。
 自動車の運転でも、気が付くのが遅くなって「ヒヤッ」とすることがたまにあり、このままでは事故を起こすおそれもあるかもしれないと思っていました。
安全衛生をメインに仕事をしてきた者として、リスクをできるだけ小さくしなくてはならないと思っていました。

 今まで私が乗っていたホンダのフィットは3代目だそうですが、先日(1月17日)初めて(3年目)の車検を受けました。昨年、車検の予約をしたときにデーラーの担当者から、新型のフィットが2月に発売になる。安全性は格段に上がっている、との誘い文句に乗り、新車購入の契約をしました。

 今まで乗っていたフィットも自動ブレーキが付いていますが、主に追突防止用で、左右からの飛び出し等には対応していません。池袋の事故ではありませんが、自分の命より歩行者等の命が大事だと、歳をとるごとに強く思います。
  新型フィットは左右の飛び出しに対応するほかリアのドライブレコーダーもオプションで取り付けてあるので、あおり運転にも対応できそうです。
 また急発進も制御しますし、さらに前の車の自動追尾機能は赤信号で気が付かなくても知らせて発進してくれますし、前の車との車間距離も自動的に行ってくれます。ウインカーを付けないで車線変更しようとすると(センターラインに近づくと)警報音とともにハンドルを戻すように知らせてくれます。
 まだまだ全部は確認していないのですが、かなり安全のための補助(サポート)機能が充実していそうです。

 妻は事故を起こすのがイヤなら免許証を返上し、車を運転しなければいいのではないか、といいますが、まだ(?)72歳で次回免許更新まで2年以上もあります。今年もスタッドレスタイヤに履き替えてスキーに行っています。
 2月も12日にハンターマウンティンで日帰りで滑ってきました。実は本日25日から2泊3日で上越国際に行く予定でしたが、新型コロナウイルスの高齢者、基礎疾患という高リスク者であることから、リスク回避のためスキーをキャンセルしましたけれど、ともかく車はまだ手放せません。(ということでスキーに行かなかったのでブログを書いています。)

 年金生活者である私には大変高価な買い物でしたが、安全をお金で買えるなら、と思い決断しました。
 2月21日の納車だったのでまだそれ程乗っていないのですが、今度は新車の乗り心地というか安全性等の完成度について報告したいと思っています。

2020年2月25日 白崎淳一郎のblog

2020.1.4の「温排水の利用で地球温暖化対策を」のブログの訂正

 

一部間違いがありましたので訂正します

2020.1.4の「温排水の利用で地球温暖化対策を」の私のブログで、「次に二酸化炭素が一定排出された温排水を、今度は電気分解するのです。海水は水に主に塩(NaCl)が溶け込んだものであり、海水を電気分解すると、陽極側に酸素が、陰極側に水素が発生します。つまり電気分解することにより、水分(H2O)が減少するのです。」の部分について、友人から間違いではないかという指摘がありました。

再度、調べたところ、海水=食塩水の電気分解は、特に電解法または食塩電解法という名称が付けられていることが分かりました。

食塩電解法の化学反応式は次の通りです。

2NaCl+2H2O → 2NaOH+Cl2+H2 

つまり、食塩水(NaCl)を電気分解することで、水酸化ナトリウム(NaOH)、塩素(Cl2)、水素(H2)の3物質が得られるということです。水分だけが電気分解するのではないということです。

工業的には、イオン交換膜法、隔膜法、水銀法の3つの方法があるそうですが、日本国内で多く採用されているのは、イオン交換膜法なのでこれについて説明します。

イオン交換膜法では、陽極側と陰極側とを仕切る膜として、イオン交換膜を用います。
この膜は陽イオンを選択的に透過する(陰イオンは通さない)密隔膜だそうです。

そして、溶媒には陽極側に飽和食塩水、陰極側に水(純水)を使います。

この状態で外部電源から電流を流すと電気分解が起こり、陽極側にある食塩水と陰極側にある水との間で陽イオンの移動が起こります。

陽極側、陰極側の化学反応式をまとめると、以下のようになります。
陽極側: 2Clー → Cl2+2e-
陰極側:2Na+ + 2H2O + 2e- → 2NaOH +H2

つまり、陽極側で生じたナトリウムイオンがイオン交換膜を通って陰極側に入り、水酸化ナトリウムと水素が生成するのです。陽極側には塩素が発生します。

結果として、海水は塩素、水素、水酸化ナトリウムとなり変化しますので海水の量は減ります。従って結論として2020.1.4のブログは正しかったのですが、経過とプロセスが誤っていました。

お詫びして訂正します。

 

2020年2月16日 白崎淳一郎のblog

マイクロプラスチックの回収・処理情報について

マイクロプラスチックの回収処理方法について

 

 

  21世紀に入り、生産量が激増しているプラスチック。便利さの一方で、大量のプラスチックが海に流出し続け、近年は5mm以下の「マイクロプラスチック」にも大きな注目が集まっている。

 

 東京農工大学農学部環境資源科学科の水環境保全学/有機地球化学研究室が、2015年、東京湾の埠頭で釣ったカタクチイワシを調べたところ、8割の消化管の中から、様々なプラスチック片が出てきたというのである。

 

 同大学の高田秀重教授は「海に浮いているゴミって、大きいうちは砂浜に打ち上げられる法則があるんです。そして、小さくなると、今度は沖合に出て行きます。専門的には、ストークスドリフトって言います。つまり、大きい破片が砂浜に打ち上げられて、そこでボロボロになって小さくなると、今度は海に戻っていくわけです。小さくなって海に行ってしまうともう回収するのはほとんど不可能です。プランクトンネットで海じゅうをすくわなければならなくなりますから」と述べている。

マイクロプラスチックの回収の難しさから、

 

・マテリアルリサイクル:廃プラを原材料としてプラスチック製品に再生

・ケミカルリサイクル:廃プラを化学的に分解するなどして、化学原料に再生

・サーマルリサイクル:廃プラを固形燃料にしたり、焼却して熱エネルギーを回収

 

の廃プラの3つのリサイクルの重要性を訴えている。

 そして、多くの科学者も同様にマイクロプラスチックの捕集の困難さを訴えている。

 

 日本では廃棄されるプラスチック(廃プラ)の有効利用率が84%と特に進んでいるとされているが、全体の57.5%は、燃焼の際にエネルギー回収をする、燃やす「サーマルリサイクル」という処理方法に頼っている。これはつまり、化石燃料を燃やし、CO2排出しているということであるので、今後ますます深刻化する地球温暖化への対策まで含めた視点で見たときに、とても資源が有効かつ持続可能な方法で利用されているとは言えないとの批判がなされている。COP25では2050年以降の石油ベースのプラスチックの焼却が禁止されているので、マテリアルリサイクルの技術をさらに高める必要があると考える。

 

 ともあれ、2050年には海洋プラスチックゴミは魚の量を上回り、消費する原油の20%がプラスチック生産に使用されると予測されている。SDGs の観点からもゆゆしき問題である。そして早急に世界中の海にある約50兆億個もあるマイクロプラスチックの回収処理方法を早急に確立しなければ大変なことになる。

 

 そこで、捕集方法として私の、2020.1.4の「温排水の利用で地球温暖化対策を」で述べた、温排水の海水を撹拌してCO2を湧出する際に発生する「泡」に注目していただきたいのである。泡は不純物があるから発生するのであるが、その不純物の大部分はマイクロプラスチックである。この泡を回収(捕集)することでマイクロプラスチックを回収するのである。

 次に、同ブログでは、CO2回収後温排水(若干温度が下がっている)を電気分解し、酸素と水素を分離することで水分を少なくする。言い換えれば塩分濃度の濃い海水にしてから、海洋に戻すとしている。海水絶対量の削減の提案であるが、問題はこの電気分解にある。

 

 仮に1万ボルト以上の高圧で電気分解すると思うが、極板に腐食しにくい白金を使用しても、陽極板に不純物が付着して、電気分解のスピードが落ちてしまうからである。なぜなら、電気はマイナス極から海水中を通してプラス極に流れる。この時マイクロプラスチックが帯電してプラス極に付着してしまうからである。いわば電気集じん機と同じ原理である。

 したがって、電気分解の効率が下がれば、極板を海水から露出させ、付着物であるマイクロプラスチックを定期的に回収することを考えなければならない。

 

 泡と電気分解により回収されたマイクロプラスチックであるが、これはPCBなどの有害物質も付着しておりマテリアルリサイクルをするにしても、多大な費用がかかると考えられる。

 だから、現在のところ、火力発電所の燃料である石油や石炭と一緒に燃焼させるしかないと考えられる。CO2の削減に逆行するが、温排水からCO2を抽出しておりこちらの量が火力発電で発生させるCO2の量より圧倒的に多いはずなので、2050年まではやむを得ない措置として容認されるのではないかと考えられる。

 

 さて、マイクロプラスチックの回収処理方法の概要は以上述べたとおりであるが、より効果的にマイクロプラスチックを捕集するためには、現行の冷却用海水の取水方法を変更する必要がある。

 現行は、温度差による冷却効果とできるだけきれいな海水を取り込むことで、冷却用配管等の保守点検がしやすいということもあり、取水口は多くは陸上の岸からかなり離れた、割と深い位置に設けられているところが多い。

 しかし、特に微細なマイクロプラスチックほど海表面近くに漂っている。従って、取水口は、潮位の変化を見越して、海面および海面下2mぐらいまでの海水を取り込むようにすべきである。滝のように、あるいは「じょうろ」のように海水を取り込むのである。

 その際、取水口は台風、地震津波の脅威に十分耐えられるよう設計されねばならないことは当然である。取水口に設置された魚や粗大ゴミ等の流入を防ぐ効果的なフィルターの開発と簡単な交換方法などもクリアしなければならない問題であろう。

 

 さらに電気分解にも工夫が必要である。実証実験を行い、何万ボルトなら良いのか、その時の陽極と陰極の適正距離はなどを見極める必要がある。また電気分解槽は高圧電力が使用されるが、漏電や周辺への影響を考えると硝子製あるいは碍子に用いられる陶器製のものを使用するものと思われる。大きなビーカー状のものであるが、今の産業技術でどれほど大きなものが製造できるか現在私はその知識を持ち合わせていない。が日本の技術力を信じたいと思っている。「できない」ではなく「どうすればできるか」というチャレンジ精神である。

 

結論

 世界中からCOP25の精神に反するといわれている火力発電所とその建設であるが、科学技術の革新により燃焼ガスから今以上のCO2の排出削減を目指すとともに、目の敵にされているボイラー蒸気の冷却のために強制的に海水を取り込んで生じる温排水からのCO2抽出、マイクロプラスチックの回収、そして海水そのものの削減と水素社会推進の拡大に寄与するなら、再生可能エネルギーとの当面の共存も許されるのではないか、私はそう思う。


 それから世界の各地の火力発電所等の冷却水は、海ではなく河川や湖沼のところがある。しかし、河川にも湖沼にも大量のCO2が含まれマイクロプラスチックが含まれていることは、多数の文献で明らかである。これらの発電所でも同様の対策を講じることが重要であると考える。

 決して、政府の火力発電所建設の輸出を全面的に認めるわけではないが、世界中で現に稼働している原子力発電所、火力発電所に対して、CO2削減、マイクロプラスチック回収の技術を輸出することはSDGsの実現に少しでも寄与することになると考える。

 

2020年2月4日

 

白﨑淳一郎のBulog

福島第1原発 トリチウム汚染水は太陽に送れ (改訂版)

 

 2019年9月29日の「福島第1原発 トリチウム汚染水は太陽に送れ」について、若干不正確な点があったので、同日のブログを削除し、あらたに改訂版として再掲載します。

 

 福島原発の汚染水の件は韓国が「海洋放出」するのは問題ではないか、と国際世論に嫌がらせ的にPR、ロビー活動しだした。これについては、まだ何も「放出」の方針を決めていないのに、韓国自身の原発も処理水でトリチウムを海洋に放出しているのに・・・という批判がある。

 

 それはさて置き、汚染タンクはあと2年もしないうちに置き場を作ることができなくなっていて、いずれにしろ汚染水の処理をしなくてはならないのは自明のことである。そこで汚染水の海洋廃棄やむなし論者は、トリチウムの危険性を払拭することに躍起となっているようである。

 

 しかしトリチウムは絶対に無害ではない。危険性が少ないとする論者でも、自分や自分の家族にそれを飲ませても構わない、と思っている人はいないのではなかろうか。

 

 ところで、トリチウムは水素分子にしっかり溶け込みそれと分離することは現代の科学技術ではかなり困難だといわれている。昨今、近畿大学工学部教授 伊原辰彦氏が「効率的に低コストで分離回収することに成功した」というニュースを2018.6.29 SankeiBiz が掲載していた。簡単にその論文を紹介すると、アルミニウム粉末焼結多孔質フィルターで、毛細管現象を利用して、トリチウムを分離するものらしく、国際特許を出願中とのことである。

 

 この技術を、国内でも国際的にでも、さらに発展させることは重要であると考える。しかし、海洋廃棄やむなし論の大御所といわれる学者の一部は、『「トリチウムを分離して処理する」という処分法も公聴会では挙がりました。近畿大学の技術で、1時間あたり3.5gの処理水を分離処理できるというものです。ただこの処分法ですと、処分の速度が処理水の増加量(100-200㎥/日)を下回ってしまい、貯蔵の限界になるまでに処分が間に合わなくなるので、その点に困難があるかもしれません。』(「福島第一原発廃炉トリチウム水処分を考える」SYNDOS 2019.5.9木野正登氏 経済産業省資源エネルギー庁参事官)と述べ、否定的である。

 大規模で多数の装置を作れば3.5g/時という問題はクリアするはずである。要するに金をかけたくないという発想に立っているものと思われる。

 

 ところでトリチウムとは、日本語で「三重水素」と呼ばれる水素の仲間(同位体 アイソトープ)のことである。ちなみに水素の同位体には、質量数が1の軽水素(H)、質量数が2の重水素(D)、質量数が3のトリチウム(T)がある。重水素Dは天然に存在するが、トリチウムTは半減期が12年で、弱いβ線を出す放射性同位元素である。海洋投棄や大気中への放散やむなし派の学者は、自然界には地球に降り注ぐ宇宙線の影響等で1年間当たり約7京ベクレルのトリチウムが生成されており、水道水などを通じてトリチウムを摂取することにより、人体内にも数10ベクレルのトリチウムが存在していると述べている。これを天然トリチウムといい、極めて透過力の弱い、低エネルギーのβ線しか出さないので、かなり安全であると主張している。しかし問題なのは福島原発トリチウム汚染水の方である。これは原子力施設で生成されたものであり、天然のトリチウムとは異なる放射性同位元素である。半減期が12年とはいえ、日々生成される、γ線より危険度が高いβ線であり、その絶対量から考えても安全性は天然のトリチウムとは異なると考えて良い。

 

 話しを水の電気分解に変更する。水を電気分解すると陽極側に酸素、陰極側に水素が1対2の割合で発生し水自体は容量が減る。しかし、いくら電圧を上げ、時間をかけてもこの電気分解の反応は遅くなり、酸素と水素の発生量は当初から比べるとかなり少なくなる。というよりも一定の時間で電気分解反応は事実上停止してしまう。その時に残った水と通常の水の質量を計測したら1.106対対1.000と比重が重い水が残る。そこで普通の水を軽水(H2O)といい、比重の重い水を重水(D2O)ということにした。重水は自然界でも軽水の中に0.01%程度存在しているが、無色透明で、屈折率も等もほぼ同じで、その性質等は軽水とほとんど差が無い。

 

 しかし、今述べたように重水は電気分解をすることで生成することも出来る。そしてこの重水から取った重水素核融合の減速材として各国の原子力施設で使用されている。減速材として利用された重水は原子炉の中で中性子と衝突し三重水素、つまりトリチウムになる。福島原発の場合は流入した地下水が溶融炉心デブリ(瓦礫)冷却水とそれに含まれるホウ素等により中性子が照射されることによりトリチウムが発生するため、溶融炉心を冷却し続ける限り発生し続ける。

 

 問題はこのトリチウムが、処理水中で水分子の一部となって存在しているのである。このため、水の中にイオンの形で溶けているセシウムストロンチウムといった他の放射性物質とは異なり、トリチウムが含まれる水分子のみを「化学的な方法により分離し、除去することは容易ではない」、ということである。しかし貯蔵タンクの中にあるトリチウム汚染水の全てがトリチウムではない。濃度が高いとはいえ、その大部分は軽水であり、ただ化学的に分子として結合しているだけなのである。

 

 だから、「化学的な方法では分離、除去が容易にできない」のなら「物理的に」分離、除去できないのかということである。つまり電気分解できないか、ということである。前述したとおり、水は電気分解すれば、水素と酸素に分離できる。電気分解で容易に分離されるのは水素であり、重水素三重水素は容易に電気分解しないため、気体となって分離しにくい。仮にこの電気分解で生じた水素に重水素トリチウムが含まれたとしても、その量はごく少量であり無視して差し支えない程度と思われる。が、大気中でこのトリチウムが混じった水素ガスを利用することは、含有量が少ないとはいえ安全性を実験的に確かめてからでなければならない。このトリチウム入りの水素ガスを圧縮して液体水素にするのである。酸素分子がない分その容量はかなり小さくなる。この液体水素は後述するロケットエンジンの燃料として宇宙空間で使用する。

 

 電気分解で処理できず(反応が鈍くなったら電気分解を止める)残った水が高濃度の重水素トリチウム水であるが、酸素と水素が取り除かれている分その容積量は格段に小さくなっている。つまり現行程度のタンクの容量や基数は必要なくなる。問題は、残った高濃度のトリチウム水の処理であるが、さらに低温加圧して氷状(固形化)するか、容器に詰め替え、後述するようにロケットに載せて宇宙、特に太陽に向けて投棄するのが良いと思われる。地下に浸透させたり、深海に投棄したりすることは、漏洩等による環境汚染が考えれるので採用できない。

 

 処理方法について前記SYNDOSで 多田順一郎(NPO法人放射線安全フォーラム理事)氏は「トリチウム水を蒸発させて、大気中に放出したり、電気分解や逆浸透を多段階に繰り返したりするためには、膨大な量のエネルギーが必要です。」と否定的意見を述べている。もちろん蒸発させて大気に放出することは、農作物だけでなく人体にとってもどんな影響があるか分からないので、お金やエネルギーがあっても許されない。逆浸透も同様に許されない。また韓国政府に何を言われるか、自明のことであり反対である。

 

 ところで汚染水を貯めているタンクは1基約1億円である。現在約1千基(1千億円)あるが、もし近隣に太陽光発電所と巨大充電器をつくり、そこで発生した電気を使って1日中「電気分解」すれば、多少時間がかかるとしても、多田氏が危惧する膨大なエネルギーの問題は解消するはずである。場合によっては再稼働する原発に、再稼働の条件として、例えば発電する電力の1割をこの電気分解施設の運用のために供給すること等を政治的に(法的に)決めても良いかもしれない。あるいは、温排水を出している火力発電所からも電気を徴収することも検討すべきである。

 

 問題は、高濃度に汚染・圧縮された液体もしくは固体トリチウムをどう処分すべきかである。いつまでも貯蔵しておくのは容器の破損や電力もかかり、自然災害のことも考えなければならない。

 そこで、この高濃度のトリチウム水だけでなく、使用済み核燃料、原発汚染物質、廃炉処理で出る高濃度の汚染物質をひとまとめにして、H2Aロケットに載せ、太陽に向けて発射するのである。打ち上げ費用は現在のところ85億円と多少高いが、単に太陽に向けて打ち上げるだけで良いので、費用はもう少し削減できると思う。そして大気圏を越え宇宙空間まで運んだら、あとはわずかなトリチウム入りの水素と酸素を燃料にしてロケットエンジンを燃焼させれば良い。水星を過ぎたあたりからは、太陽の引力で太陽に引き寄せられていく。ご承知のとおり、太陽は水爆が連続的に活動している核融合の星なので、原発汚染物質も容易に受け入れてくれるはずである。

 

 現在、最終汚染物質をどうするか、その廃棄場所はどうするのか、何百年も管理できるのか、費用は誰が負担するのか等が議論されているが、結論が出そうにもない。そんなことを考えたら、ロケットでの太陽廃棄(投棄)は格段に安いと思われる。そして安全で確実、格安な打ち上げ、投棄技術が確立すれば、世界各国の原発保有国はこぞって原発汚染物質の打ち上げを依頼してくれるに違いない。原発の輸出ではなく、原発高度汚染物質の処理という新たな商売を始めるのである。

 

 私は、原発推進論者ではないが、トイレのない原発は絶対に容認できない。人類の叡智でいずれ原発の安全性は格段に高まるはずである。科学的に見てリスクが容認できるほど小さくなれば原発を認めることはやぶさかではないと考える。そのためには廃棄物の処理方法の確立が絶対に不可欠である。

 

 メインは太陽光発電で得られたエネルギーで原発から生じた放射性廃棄物等を太陽に送り込むのである。言い方が悪いが、地球や人類にとって不要なものを太陽というゴミ処理(焼却)場に運ぶのである。これこそ究極のSDGsではなかろうか。

 

 私は、原子物理の学者ではないが、電気分解した水は、水素が陰極に、酸素が陽極に溜まるということぐらいの知識は持ち合わせている。識者のご意見を賜りたい。なお、酸素は別として、大気圏飛行中にロケットエンジントリチウム入りの水素をロケットの燃料に使用することは反対であり、認められない。あくまでも宇宙空間でのみの使用とする。

 

2020.1.8

白崎淳一郎のブログ

温排水の利用で地球温暖化対策を

 

 明けましておめでとうございます。スペインで行われたCOP25では、温暖化対策に後ろ向きと認定された国が選ばれる不名誉な「化石賞」を授与され、小泉環境大臣もさんざんな目に遭いましたね。
 「石炭開発、化石燃料発電所の維持、開発は選択肢に残す」という閣議決定に縛られ、小泉環境相が「国際社会が求める脱石炭や温室効果ガス排出削減目標の引き上げの意思」を示せなかったのが受賞の理由とか。(DEGITAL朝日新聞2019.12.15)

 

 さて、私の「海水から二酸化炭素取り出し、太陽に送れ」(2019.10.20)のブログを読んでいただきましたでしょうか。そこでは海水を40℃程度に加熱しながら、巨大な泡立て器で海水を撹拌し、二酸化炭素を取り出す、という方法を記載しました。

 

 本稿では、これをさらに温排水を利用するという方法に補強することにしました。温排水とは、火力・原子力発電所、鉄鋼業、化学・石油工業などで、冷却水として使用された温度が高くなった水や海水を、海、河川、湖沼に排出されたものをいいますが、ここではその一番多い(米国では全産業の4分の3を占めているという。日本大百科全書より)、原子力発電、火力発電の温排水を特に対象とします。

 温排水は、その一部は魚介類の養殖や道路融雪、温室の植物園や花卉・果菜の栽培などに利用されていますが、その多くはそのまま排水されています。海水温の上昇による漁業被害が大きく、ために新規の発電所設置に関して、二酸化炭素の大量排出だけでなく、もう一つの大きな障害となっています。

 

 蒸気タービンを使用して発電する方法では、タービンで機械的にモーターを回した後の蒸気は、復水器と呼ばれる熱交換器によって外部からの冷却水に冷やされ水に戻しボイラーに送られます。この外部からの冷却水は、大きな河川が少ない我が国では主に海水に頼っています。復水器を通った冷却水は、通常7~8℃昇温して環境に放出されています。

 

 電気出力100万キロワットの軽水炉による原子力発電では、1秒間当たり60~70トンの冷却水が必要で、これは石炭・石油火力の1.5倍に相当すると言われています。(日本大百科全書
 もし仮に、日本にある54基の原発全体を稼働させたなら、1年間に放出される温排水の量は1,000億トンと言われています、日本全土に降る雨の量が年間6,500億トン、そのうち河川に流れるのが4,000億トンとう試算があるので、原発は、日本の河川に流れる4分の1に相当する量を7℃高めて海に戻しているという説もあります。(2014.3.6中村隆市ブログ)

 

 本稿では温排水の環境に対する悪影響を論じるつもりはありません。私が10月20日のブログで、海水を40℃程度に昇温すれば二酸化炭素が取り出しやすい、と述べましたが、加温するにはそこそこ電気が必要で、加温した後の高温になったものを温排水にするなら、これも新たな問題です。

 そこで加温しなくても、温排水そのものを泡立てるだけでも相当の効果が出ると思われます。若干温度が低くなるので泡立て器の性能を上げる工夫が必要ですが、温排水を泡立て器のある場所を通過させるだけでよいのです。放水経路を若干変更し低層の屋根のあるプールに引き込むだけですので建設費はそれ程かからないと考えられます。滞留させると温度も若干下がるはずです。

 

 次に二酸化炭素が一定排出された温排水を、今度は電気分解するのです。海水は水に主に塩(NaCl)が溶け込んだものであり、海水を電気分解すると、陽極側に酸素が、陰極側に水素が発生します。つまり電気分解することにより、水分(H2O)が減少するのです。電極に腐食しにくい白金を使用するのが良いでしょう。
 海水面の上昇におびえるツバル共和国のことを考えると、海水のうち水分の減少は重要な温暖化対策となるはずです。

 取り出した二酸化炭素も水素もさらには酸素も加圧して液化すれば処理は非常に楽です。
 例えば、液体水素を砂漠地帯に持っていき、発電すると電気が生まれます。同時に出来た水は農業用の工場で使用することも可能なのです。安価な水素の提供により勿論トヨタ自動車の「ミライ」などの燃料電池自動車の販売促進にも役立つでしょう。

 

 海水の撹拌や電気分解には当然相当の電力が必要となります。そこで、法律を制定し発電所は自ら発電した電力の1割をこの施設運用に使用しなければならない、とすることも可能ではないでしょうか。原発の再稼働の条件としても良いと考えられます。(今のままの再稼働に私は賛成ではありませんが)

 

 そして重要なことは、これを日本だけでなく、COP25を推進している国々だけでなく、離脱した米国も含めて行うことが大事です。全世界で二酸化炭素を海水から抽出し、電気分解で海水を減らし、水素社会を作ることに邁進することが、地球温暖化対策の重要な一歩だと考えます。

 環境省経産省は今すぐ識者を集め、実証実験を行いその効果と悪影響(濃い温排水の環境に及ぼす影響等)の程度を確認することを提案します。これには与党や野党の別なく、予算化に賛同すると思われます。効果が確認できれば火力発電所建設の輸出にもGOサインが出ると思われます。

 

 以上が、私の今年の初夢です。夢は実現しなくても仕方がありませんが、夢を具体的な実現すべき目標に変えるなら、COP25の目指す社会は実現するのではないでしょうか。それでこそ技術の日本です。

 

 なお、原発についてはトイレのない家と同じです。トリチウム水の問題もあります。これらについても電気分解と太陽に送る方法しかない、ということを次回のブログで2019.9.30の私のブログを訂正補強して書きたいと思っています。乞うご期待。

2020年1月4日 白﨑淳一郎ブログ

海水から二酸化炭素を取り出し、太陽に送れ

海水から二酸化炭素を取り出し、太陽に送れ


 前回(2019.9.30)の白崎淳一郎のblog「福島第1原発 トリチウム汚染水は太陽に送れ」は、結構反応がありました。お礼申し上げます。
 さて今回は、台風19号のことから、若干考えてみました。まずは、台風に被害のあわれた皆様に、お見舞い申し上げます。
 確かに、台風が年々大型化し、15号もそうでしたが、甚大な被害を与えるようになりました。地上に生きるものにとって困ったものである。しかし、立場を変えて、地球という観点に立って観ると、温暖化を止めるため、海水中の二酸化炭素を空中に吐き出し、かつ雨と風で地表を冷やそうという台風を起こす作業は、自助作業であるとも言えなくはありません。地球も苦しんでいると思われる。

 温暖化の問題は、空気中だけでなく海水中にもたくさんの二酸化炭素が含まれ、それが海水温度を上げ、台風を大型化させているという事実を、人類共通の認識とすることが大事だということである。トランプ大統領も認めるべきである。
 パリ協定では、今後排出するCO2ガスをどう減らしていくのかを決めたのであるが、現在大気中にあるCO2ガスの削減については、具体的に決めていない。

 ところで、現在あるCO2削減方法を文献(ネット)で見てみると、①海に吸収させる。理論的には年間470億トンの二酸化炭素を固定化することが可能。②地球化学(岩石などに吸収固定)で年間で900億トン~9000億トンの二酸化炭素を吸着できる。③酵素を使う。微生物を用いない酵素で、例えばリブロース 1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシナーゼなどが考えられるが、非効率的でありそこに難があると指摘されている。④砂漠を緑化する。面積1k㎡のオアシスを450万箇所作ることで410億トンの二酸化炭素を植物が吸収することが出来る、という説である。これはベンチャーキャピタル・Y・コンビネータが発表した4つの技術であり、この技術を実現できるスタートアップを募っているそうである。それ以外にも、触媒技術を活用した「人工光合成」があるが、これは工場や火力発電所など現に二酸化炭素を排出している工場等に設置して、CO2と水を原料にしてオレフィンなどプラスチックの原材料を合成する技術であるが、そもそも大気中の二酸化炭素を吸収して人工光合成を行うことを予定していない。

 また、①の海に吸収させるは、更なる海水温度の上昇につながり、ますます大型の台風を引き起こしかねない。藻や海藻に光合成を起こさせるとしているが、海藻もいつか死滅するといずれ二酸化炭素を排出する。それは④の砂漠の緑化も同様である。食物を植えてもCO2は減らないのである(注)。②は、当該岩石を探し、圧力で吸着させるというが、③も含めて対費用効果を考えれば???ではなかろうか。
 これらの説(案)は、大気中の二酸化炭素を減らすという前提に立っているが、ご承知のとおり大気中には窒素(N2)が78.10%、酸素(O2)が20.93%であるが、二酸化炭素はわずか0.03%である。ただし、2018年レベルでは0.041%に上昇しているので、パリ協定では2050年までに0.035%(350ppm)にしようと決めたのである。しかし窒素や酸素に比べ含有割合が少ない二酸化炭素を、100ppmほど減らすのはかなり効率が悪いので、現在のところ前記方法が提唱されているのであるが、実用化されていないのである。

 ところで、二酸化炭素は水に大変よく溶けることは、中学の理科でも習っているところである。そして現に海水中に大量に溶け込んでいる。海水中の二酸化炭素は、海洋表層だけで大気中の二酸化炭素の約1.4倍の量が含まれているという試算があり、この量は、大気中の二酸化炭素が増加するとそれに比例して溶解する量も増える。その意味では前記①の説も首肯できるのであるが、大気温度が上昇や嵐等での空気の撹拌があると逆に海水から大気中に二酸化炭素が放出される。これが台風時に生じている現象でもある。

 ここで重要なことは、この性質を利用することである。つまり海水を例えば25mプール程度の屋根付き容器に引き入み、大気圧より低め(負圧)にし、さらに40度程度に加温しながら、巨大な泡立て機(ハンドミキサーの大きなもの)のようなもので海水を撹拌するのである(気体は温度が低く圧力が高ければ液体に溶け込みやすいので、その逆を行う)。海水の撹拌方法には、振動板あるいは低中周波振動法なども考えられる。要するにプロ野球の優勝セレモニーでビールかけを行うが、ビールを温め瓶をよく振ることで、泡が勢いよく吹き出るのと同じ要領である。

 容器の天井部分はなるべく低くし溜まった泡(海水には不純物が含まれているので泡が出る)が簡単にはじけるよう、中段部分で機械的にワイヤー等を動かして泡を壊すのである。泡が壊れて生じた二酸化炭素入りの空気を今度は縦型のタンクにゆっくりと導くのである。タンクの上部と下部に弁をもうけ、二酸化炭素入りの空気をこのタンクに貯めるのである。その際は上部の弁は開いておく(下部の弁は閉じておく)。二酸化炭素は酸素や窒素より重いので二酸化炭素が溜まっていけば、上部の弁から水素、酸素、窒素が自然に抜け出していく。
 つまり、タンクの3分の2以上に二酸化炭素が充満したら(吹きこぼれると危険である。センサーがあればほぼ満タンまで貯められる)、下部の弁から二酸化炭素を取り出し、130気圧程度圧縮すれば液体となる。これを再度気化させればドライアイスができる。

 液体二酸化炭素であれドライアイスであれその後の処理方法は非常に楽である。1案としてはドライアイスにして宇宙ステーションに運び遠心力(推進力は液体二酸化炭素の気化による)で太陽に向けて発射する。多くの彗星が大きなドライアイスなので、太陽に向けて発射してもさして問題とはならないと思う。第2案として液体二酸化炭素ロケットエンジンの推進力に使い、ロケットにドライアイスを積んで月のクレーターに運ぶのである。クレーター内を二酸化炭素で充満させて場合温室効果でどのようなことが起こるか実験するという案である。それから、前述した触媒を使って、酸素と炭素に分離させたりすることもできよう。その他いろいろな使用、利用方法が考えられる。

 ここで、一応海水中の二酸化炭素の取り出しと処理方法の話しは終わるが、この構想には次のようなことも考えられる。二酸化炭素濃度が低くなった、プールに入っている海水の処理である。そのまま海に戻しても良いが、この海水を電気分解すると水素と酸素が発生する。つまり水分が少ない濃い海水が残る。この海水を電気分解で生じた水素と酸素を燃料にして煮沸すれば塩が生成される。また燃料として使用した水素と酸素から純水に近い水も精製できる。

 以上の設備の稼働には、当然相当の電力が必要である。太陽光発電風力発電等の再生可能エネルギーだけで不足の場合、火力発電所から発電量の1割程度を負担させる(二酸化炭素処理を行わない発電所は2割程度)ことを政策や法令で定めることも必要であろう。
 トリチュウムの場合は日本の原発が負担するとしたが、二酸化炭素は全国民が電気を享受しているので、全国民が税金で負担する、というのもありと思われる。

 そしてより重要なのは、海水からの二酸化炭素の分離は、全世界各国が取り組まなければ意味がないし膨大な海水に対処できない。新たなパリ協定を策定し、海のない国も電気や化石燃料を使用している限り、地球温暖化対策のため応分の負担をすべきであると考える。

 私は物理・科学の専門家ではないので、本ブログを参考に識者がさらにこの案を発展させて頂くことを祈念する。トリチウムの件もよろしくお願いする。

(注)「種子が育って樹木になり、それが枯れて土に戻る。これを植物の一生だとすれば、植物が一生の間に放出する酸素の量と吸収する酸素の量は(あるいは吸収する二酸化炭素の量と放出する二酸化炭素の量は)、じつは同じになるのだ。……中略……植物が生長していくにつれて、光合成によって二酸化炭素は分解され、出てきた炭素は植物体に取り込まれる。そして生長が泊まれば、CO2⇔O2+Cと光合成と呼吸が釣り合う。そして枯れて分解されれば、全てが左辺に戻るので、もとの木阿弥になる。結局、植物を植えても、酸素が増えたり二酸化炭素が減ったりするのは、一時的なもので、植物が枯れれば、大気中の酸素も二酸化炭素ももとの量に戻ってしまうのだ。」(身近な問題を「地球スケール」で考える  更科 功 より)

2019年10月20日 白崎淳一郎 ブログ