さいたま法務局と3回目のバトル

さいたま法務局に対して3回目の質問を行いました

 

 2020/10/05 (月) 17:44 さいたま法務局法人登記部門から下記1のとおりの回答がありました。のらりくらりではなく簡潔な回答でしたのでその意味では評価できるのですが、簡潔すぎて肝心な部分について、回答を意図的に行っていないという問題があります。まさにお役人的な回答でした。私も30年以上国家公務員をしていましたが、私が所属長なら決済印は押さないと思うような内容でした。そこで多少しつこいとは思いますが下記2のとおり3回目の質問を10月9日行いました。

 

記1 (さいたま法務局の2回目の回答)

 

白崎淳一郎 様

 

9月27日付けメールで問合せのありました件について,以下のとおり回答します。

 

1について

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第342条

2について

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第342条に規定する過料に処するべき行為を行った者

3について

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第149条第1項により,みなし解散した休眠一般社団法人は含まれません。

4,5について

休眠法人整理作業による過料であることを分かるようにしています。

6について

一般社団法人等登記規則第3条において準用する商業登記規則第118条

7について

法令等に基づき統一した事務をしていることを伝えたものです。

8について

過料事件の通知に係る件数については,公開していません。

9について

法務省ホームページの「法務行政に関するご意見・ご提案」で受け付けしています。

https://www.moj.go.jp/mojmail/kouhouinput.php

 

さいたま地方法務局法人登記部門

※ 本回答に対して,ご意見等がございましたら,本メールには返信せず,改めて「さいたま地方法務局に対するご意見・ご要望フォーム」を利用してお問合わせください。

 

 

以上がさいたま法務局の回答ですが全くもって不十分です。なお質問内容は9月27日のブログをみて下さい。そこで改めて、下記のとおり3回目の質問を行いました。

 

 

記2 (2020.10.9 3回目の質問)

 

1.回答2について。今回は見なし解散関係の法第149条で過料の通知を行っているので、法第342条だけでは不十分です。通知の対象となった過料に処すべき行為として具体的に第342条の何号に該当するのかを明記すべきです。何号でしょうか。

 

2.回答3について。文面からは第342条の過料に処すべき行為に第149条1項は含まれていないと読めるのですので一定評価できます。が、あえて「見なし解散した休眠一般法人は含まれない。」と記載しているため、見なし解散を命じられた者は過料の対象とはならないが、まだ見なし解散法人となっていない、いわゆる休眠していない旨の届出(以下「届出」という。)をした法人は含まれる、と解釈することもできます。

 「届出」は第149条第1項にあるので、届出をした者も過料に処すき行為に該当するのか否かはこの回答だけでは不十分であり分かりません。質問に対して微妙にすり替えた回答となっています。第342条の各号には第149条に規定する「届出」をした事業場は含まれているのか、いないのか、明確に回答していただきたい。

 

3.回答4について。通知文書に理由の記載欄はないが、休眠法人整理作業による過料であることが分かるようにという親切心からあえて記載した、ということは分かりました。しかし休眠法人整理作業がなぜ過料の通知の対象となるのかという説明がありません。法務省のホームページでの解説でも、届出をした者も過料の通知を受けることがあるとは一言も述べていません。第342条にも休眠法人整理作業ということは一言も触れられていないので、第149条はよけいな記載だと考えます。むしろ誤解を招かないためにも第149条は記載すべきではないと考えますが如何でしょうか。

 

4.回答5について。なぜ該当条項欄が空白なのかについて回答していません。上記の1で述べたとおり、第342条第○○号と具体的に号数を記載すべきなのに条文どころか号数も記載していない理由を述べることをあえて避けています。3で述べたとおり休眠法人整理作業それ自体は第342条に基づく過料行為とは直接何の関係がないから記載できなかった、と考えるのが常識的だと考えます。再度未記入、空白とした理由を述べてください。

 

5.回答6について。商業登記規則第118条は「登記官は、過料に処せられるべき者があることを職務上知つたときは、遅滞なくその事件を管轄地方裁判所に通知しなければならない。」と規定しているだけで、休眠していない旨の「届出」をした者も過料の対象として通知するとの規定ではありません。「届出」をした者も通知の対象とする旨が第149条に記載されていないのです。何を根拠に「届出」をした者も通知の対象としたのか、明確に答えて下さい。

 

6.回答7について。上級官庁の通知に従うのは統一した行政を執行するためということは分かります。しかし私の質問はもし上級庁の通知が仮に誤ったものである場合は国民に責任を負う登記官として、あるいは現場を仕切る下級官庁として、どうすべきか、どう責任を負うべきなのか、を問うているのです。登記事務に於いては当該事務を執行する登記官が、「独任官」として業務を執行していると言われています。つまり登記官は国民に一番近い場所で国民のために、それぞれの責任において行政を行うのであって、上級庁のために行うのではありません。あらためて仮に上級庁が誤った通知等を行った場合は登記官としてどうするのか、回答を求めます。

 

7.回答8について。「届出」の件数を公開していない理由が述べられていません。件数なので個人情報は含まれていません。情報公開法第5条に照らしても公開すべき情報である考えます。見なし休眠とし解散させられた法人数を公開しているのであれば、「届出」をした法人数を公開してもなんら問題はないはずです。少なくとも公開できないならその理由を述べるべきです。

 

8.最後に休眠法人整理作業の本来の目的は、商取引の安定のため、本当に休眠しているのかしていないかを確認し、休眠しているなら職権で解散を命じることにある、と法務省のホームページで説明されています。休眠していない旨の届出をした法人についてどう処理するかは第149条の法文上明確に規定されていません。そこで法務局は第66条の理事の任期の規定を拡大解釈して、任期満了すると自動的に役員は解任されたものと判断される。その場合、改めて選任(重任)の登記をしなければ役員の未選任となり第303条の役員変更の登記をしていないものとして、第342条第1号あるいは第13号違反として通知すれば取りあえず合法的だったのです。

重任登記をせず「届出」をしているということは、理事等が死亡、退任はしていないはずです。その場合は、1の「選任懈怠」ではなく、2の「登記懈怠」に丸印が付けられるはずです。なぜ選任懈怠に◯印がつけられていたのでしょうか。

ともあれ罪刑法定主義を軽視し、適用条項を横着して空欄としたまま、342条に該当しない第149条で過料の通知を誤って行ったことを、国民に謝罪すべきです。

                                  以上

 

 いうまでもなく、今までの質問、法務局の回答はそして今回の質問もすべて私のブログ及びフェイスブックで公開されています。

 なお繰り返しますが重任登記の是非については2年ごとの形式的登記が必要なのか、規制緩和の観点からも問題であるので本省に対して公開質問を行わせていただきます。

 2020.10.9 白﨑淳一郎のブログ