今(現在)はまだウィズコロナ ではないでしょ!

今はまだウィズコロナ ではないでしょ!

 

 

「ウィズコロナ」または「withコロナ」は、新型コロナウイルスが(少なくとも短期的には)撲滅困難であることを前提とした、新たな戦略や生活様式のことと言われています。2020年5月末に東京都知事が言及したことにより、比較的よく知られる言葉となったそうです。

Go Toトラベル、Go Toイートを推進・容認するグループでよく使われているようです。

ウィズコロナという言葉には、「新型コロナウイルスの流行は多かれ少なかれ、良かれ悪しかれ,世の中に変革をもたらした」「流行する以前の社会に完全に戻すことはもはや不可能である」という認識も含まれるそうです。意識改革が必要だということでしょうか。

私より3歳年下の政治評論家の田崎史郎氏も、政府のコロナ対策代弁者、擁護者の立場からか、ことある毎に得意げに、このウィズコロナの発言をしています。

 

しかし待って欲しい。私は73歳で狭心症、糖尿病その他の持病を持っています。特効薬もなく、ワクチンもない中で、コロナウイルスに遭遇(感染)したらどうなるでしょうか。

かかりつけの医師は「即、OUT」と脅し、とにかくマスクの装着、手洗いの励行、ソーシャルディスタンスの維持をはかりなさいと、口を酸っぱくして言っています。

つまり私達のような高齢者、リスクの高い人にとっては、ウィズコロナということはあり得ないのです。コロナウイルスと共に(With)過ごすことは命取りなのです。

 

本当にウィズコロナという状況にするためには、特効薬や有効なワクチンが開発されていない状況下では、少なくとも感染者がリスクが高い人の周りにいない、という状況を作ることしかないと思います。

つまり、できるだけ無症状の人も含め大多数の人にPCR検査や抗原検査を受けてもらい、陽性者はホテルや病院に保護(隔離)する。当該検査を受けていないものは引き続き行動の自粛を求める。陰性であることが確認されたら、思いっきり飲み、歌い、遊び、旅行しそして仕事をする。

これが本当のウィズコロナだと思います。

 

8月28日安倍首相が辞任することを表明しました。このとき政府の新しいコロナ対策も発表されました。内容は①ワクチンは、来年前半までに全国民に提供できる量の確保を目指す。②症状が似るインフルエンザとコロナの検査が同時にできるよう、冬までに1日20万件の検査能力を確保する。③感染拡大地域では医療機関や高齢者施設の職員、入所者らを定期的に検査して集団感染防止を図る。④無症状者、軽症者も含めて「原則入院」とする感染症法上の運用を見直す。⑤宿泊・自宅療養を徹底し、医療機関や保健所がリスクの高い人に集中できるようにする。

 

まず現在の国際的なワクチン開発競争でどうなるかは分かりませんが、日本人の基礎疾患を有する高齢者、妊産婦、小学生以下の子供等に副作用がないかを見極めてからでないと、いくら製薬会社に免責保証しても国の免責は免れません。というより副作用があることを前提に国家賠償することを前提にワクチン接種を拡大するのはいかがかと思います。コロナ対策の1番目とするにはあまりにも不確実、あてにならない対策のような気がします。1番目ではないと思います。

 

次にPCR検査ですが、「冬までに1日20万件を目指す」としています。「総務省は16日の敬老の日に合わせ、65歳以上の高齢者の推計人口(9月15日現在)を発表した。今年は団塊の世代(1947~49年生まれ)が70歳以上となる年に当たり、70歳以上の人口は前年より98万人多い2715万人で、2700万人を突破した。総人口に占める割合は21・5%(前年比0・8ポイント増)となった。」(2019.9.15読売新聞)65歳以上だと3588万人だそうです。

1日10万人を70歳以上の高齢者に検査したとしても2715万人÷10万件­=271日かかります。65歳以上なら358日、つまりほぼ1年かかります。しかし、現実にはクラスターでの濃厚接触者とか医療関係者が優先だとすれば1日10万件のうちどれくらい高齢者に検査できるのでしょうか。

ではリスクの高い高齢者は後回しにして、元気で活動的な方々を優先するとしたなら、1億人÷10万件=10,000日÷3365日=27年かかります。気が遠くなります。

いかに1日10万件がつまらない、ヤル気のない目標であるかがわかります。PCR検査の1000人あたりの検査人数は、GDP世界第3位の国が、OECD加盟36カ国中第35位なのです。

「日本の検査数(1.8人/1000人)は、トップのアイスランドの135人と比べると2桁も少ない。OECD加盟国平均の23.1人と比べても1桁少ない。また、韓国の11.7人と比べても、15%程度にとどまっている。また、イタリア29.7人、ドイツ25.1人、スペイン22.3人、アメリカ16.4人、イギリス9.9人、フランス9.1人など多くの感染者を出している欧米諸国に比べても、日本の検査数の少なさが目立つ。」(OECD。2020.4.28発表、高橋浩祐4.30フェイスブックより)

10兆円の予備費をなぜ検査拡大対策に使わないのか。全く不十分としか言いようがありません。せめてOECD3位のドイツの25.1人にするには25.1÷1.8=13.94つまり1日140万件の検査を行ってもドイツ並みなのです。この冬には10万件を目指すとは、恥ずかしくて穴に入りたい気分です。自民党公明党の与党の皆さん。大丈夫ですか?

 

 ⑤の「宿泊・自宅療養を徹底し」云々ですが、徹底するためにはGo Toトラベルではなく、コロナ対策のためにホテル宿泊施設が喜びそうな借り上げ費用を給付する。自宅療養者のためにGo Toイートではなく、デリバリー業者や自宅の近場の飲食店が喜びそうなデリバリー(出前)費用込みの飲食代を10兆円の予備費から国が支払う。どうしてそういう決断というか方針が示されないのでしょうか。

 

 今回予備費の使途について方針が示されませんでしたが、機器を含めたPCR検査体制の拡充、宿泊体制、弁当や食事の手配等の拡充に向けて、与野党含めて真剣に議論し、政府を追及すべきだと思います。

 

 しかし辞任されるお方に言っても仕方がありませんが、この安倍政権は民主党とは別の意味の「公文書を改ざんする悪夢のような」政治運営をしてきたと、後の歴史家は言うかも知れません。新しい政権はまず今なでとってきた対策会議の議事録や資料を明らかにし第三者機関等で検証するとともに、成功したと言われる台湾等はじめとするコロナ対策先進国から対策を学び、それこそ真のウィズコロナ=「意識改革」に向けて全力を注入すべきだと考えます。

 

2020.8.29 白崎淳一郎のBlog